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社外取締役メッセージ

中澤啓二社外取締役の正面写真
監査委員、報酬委員、独立社外取締役会議議長
ゆうちょ銀行の中長期的な企業価値の向上を支えるガバナンス

社外取締役
監査委員、報酬委員、独立社外取締役会議議長

中澤 啓二

ゆうちょ銀行のガバナンス体制について

ゆうちょ銀行の取締役会は、過半数を社外取締役が占めており、企業経営経験者をはじめとした豊富な知識・経験と高い見識を有するメンバーが活発な議論を交わしています。

私たち社外取締役は、執行役などの経営幹部人材と対話し、経営幹部の現在や将来における課題、組織運営や業務への取り組みについて理解を深めているほか、全国の直営店や郵便局などフロントラインの現状も視察したうえで、多角的な視点から経営等に対する助言を行っています。私は、取締役・監査委員・報酬委員として経理・財務・監査・内部統制・リスクマネジメント等の観点からガバナンス体制の強化を支援していますが、良い情報も悪い情報も、お客さまに接している現場の声を重視し、モニタリングのしくみなども提案しています。

また、ゆうちょ銀行には、ガバナンスをはじめとした経営上の重要な課題等に関する情報交換・認識共有のために独立社外取締役のみで運営される「独立社外取締役会議」が設置されています。

私は2024年度から議長を務めており、ゆうちょ銀行の歴史や民営化の経緯などに関する理解を深めつつ、テーマによっては社外取締役に限らず社内取締役も交えながら、新しいビジネスへ挑戦し、事業環境を踏まえて付加価値を創造できる経営のあり方など現実的な内容についても積極的に情報交換を行っています。

社外取締役のさまざまな意見が余すところなく、最適な形でゆうちょ銀行の経営に反映され企業価値を向上していく確かな手応えを感じています。

リスクマネジメントの強化について

私は“Sony Group Risk Office”の経験から、経営環境の変化や技術革新等により事業の優位性には必ず大きな変化があり、その変化にどのように対応するかが企業の強さに繋がると考えています。

ゆうちょ銀行のリスクマネジメントは、取締役会を中心に、同じく社外取締役が過半を占める指名委員会、報酬委員会、監査委員会が有効に機能しています。また、「リスク委員会」も設置され、社外取締役2名を含む取締役3名と、金融・ITに関する外部の専門家で運営され、財務健全性を担保しつつ、リスク性資産の運用のバランスを配慮した効果的なポートフォリオマネジメントを支援するとともに、銀行業務の基盤であるIT・システムに関するリスク管理等を適切に行っています。

ゆうちょ銀行は、収益の大宗を占める市場運用・アセットマネジメント事業におけるリスク管理はもとより、大地震や自然災害、サイバーセキュリティや感染症、SNSやAIなどさまざまなリスクへの対処も重要です。マニュアルどおりでは対応できない不測の事態には現場の判断と迅速な行動が必要になることもあります。本社と現場の良好なコミュニケーションと協力、人事交流等も含めて人材育成にも取り組んでいます。

中長期的な企業価値向上に向けた成長戦略について

取締役会では、ゆうちょ銀行の「15年後にありたい姿」のイメージに基づき、2年にわたりさまざまなテーマについて議論を重ね、新たな中期経営計画を決定しました。その議論において私が特に注目したのは成長戦略です。

経営戦略や経営計画の実行には常に不確実な要素が存在します。途中でリスクが顕在化した場合は、戦略や計画の変更を行わなければなりませんので、目標を達成できるようさまざまな環境変化を十分に織り込んだ中期経営計画にすべきだと考え、私なりの知見に基づく意見・提言を行いました。

私は、ゆうちょ銀行の企業価値の向上において、経済的価値と社会的価値は切り離せないと思っています。経済的価値の観点では、中長期的に二桁台のROE が期待されていると考えていますが、社会やお客さまが幸せにならないと会社も長続きできません。お客さまや地域を笑顔にする新しい事業やチャレンジは、幹部人材育成の観点からも有益で、長期的視点で育てていくことも肝要です。

この二つの観点を踏まえ、取締役会においては企業価値の向上と社会的課題解決を見据えた事業戦略について意見・提言を行っています。

持続的成長・企業価値向上を実現する人的資本経営の高度化について

「官」から「民」への移行が進むゆうちょ銀行には、公平性や責任感の強さなど従来の「官」の良さを大切にしつつも、民間企業として厳しい競争に打ち勝ち、持続的な成長と企業価値向上を実現することが期待されています。

笠間社長のもと、優秀な経営幹部人材が育っており、良いチームができていると実感していますが、中長期的な持続的成長を実現するためには若手社員の人材育成が不可欠です。ゆうちょ銀行が将来発展するにはどうしたらいいか知恵を絞り、失敗したら取り返すような起業家精神のある人材にさまざまな経験を積んでもらうことが重要です。これは、ソニー時代、1982年のマイクロ・コンピューターの米国導入プロジェクトのさまざまな経験やノウハウが1995年のパーソナル・コンピューターの米国IT 市場参入の成功に大きく貢献したという私自身の経験に基づく持論です。

一方で、会社を支えているベテラン社員については、シニア層となっても経験・スキルを活かしていきいきと活躍できるよう、評価方法や報酬体系の見直しも含めたよりいっそうの環境改善を図っていく必要があると考えています。外部環境が劇的に変化していく時代にあっても、それをマネージしていくのは人ですから、ゆうちょ銀行の人的資本経営の高度化に関しては、これらの観点を特に重視し支援してまいりたいと思っています。

すべてのステークホルダーの皆さまに笑顔と幸せを

ゆうちょ銀行は「最も身近で信頼される銀行」を経営理念に掲げ、皆さまに信頼されるブランドとして、お客さまや株主さまをはじめとしたステークホルダーの皆さまから多大なるご支援をいただいています。私がソニーや日本マクドナルドにおいて身をもって経験したことは、お客さまを大切にし、信頼される企業になること、信頼されるブランド価値があってこそ、お客さまに愛され安心してご利用いただけるということです。

日本全国において、日本郵政グループやゆうちょ銀行が持っているブランド価値は大きな強みであり、ブランド価値向上には、企業活動すべてにおいて誠実な日々の活動の積み重ねが重要だと思います。

2024年9月に日本郵政グループにおいて発覚した非公開金融情報の不適切な取り扱いは、グループ全体のブランド価値を毀損することになり、郵便局の業務委託元としての責任を重く受け止めています。私は監査委員として、郵便局の営業品質等を適正に管理するしくみづくりを提言し、ゆうちょ銀行においては、2025年5月に「郵便局営業室」が設置されました。同組織が適切に機能し、ゆうちょ銀行が業務委託元としての責任を果たすべく、監査委員会でも引き続き注視してまいります。

また、この案件に限らず、グループ会社の監査委員会、監査役会の皆さんと定期的に情報交換をし、日本郵政グループ全体のブランド価値を毀損しないよう、職務を果たしてまいります。

ゆうちょ銀行・郵便局は、全国津々浦々に存在し、大手銀行の支店がない地域でも、地域の金融インフラを支援する重要な役割を担っていますので、ゆうちょ銀行・郵便局のブランド力、お客さまの信頼を大切にしなければなりません。

ゆうちょ銀行には、お客さまや株主さまをはじめとしたすべてのステークホルダーの皆さまに笑顔と幸せをお届けする、皆さまからいつまでも愛され続ける銀行であってほしいと思います。そのためにこれからも、社外取締役としての責務を果たし、全力で支援してまいる所存です。

トップメッセージ、CFOメッセージについては、こちらをご覧ください。

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