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重点課題(マテリアリティ)

経営における重点課題(マテリアリティ)の位置づけ

ゆうちょ銀行では、企業価値向上と社会的課題解決を両立していく取り組みを推進しています。その根幹にあるのは「価値創造の循環」、つまり、「当行が事業活動を通じて社会課題の解決に取り組み、様々なステークホルダーへ価値を提供することが、当行の企業価値向上に結びつく」という考え方です。

経営における重点課題(マテリアリティ)の位置づけ

重点課題(マテリアリティ)

2021年度にスタートした中期経営計画において、ゆうちょ銀行が注力すべき重点課題(マテリアリティ)を設定しました。
これらは「社会とともに成長し続ける」当行が、「選ばれる銀行」としてお客さま、地域社会、環境、社員などのステークホルダーそれぞれに価値を提供する過程において、特に重視すべき課題を抽出・整理したものです。ビジネスの基本に立ち返って重点課題(マテリアリティ)を特定したことにより、社会と共存して成長することの重要性を認識し、全社員が実現に向け邁進します。
さらに、重点課題(マテリアリティ)ごとに進捗をマネジメントするための目標KPIを設定しました。

重点課題(マテリアリティ)との関連性

4つの重点課題(マテリアリティ)については各々リスクと機会を整理の上、リスクの最小化と機会の最大化に取り組んでいます。

重点課題(マテリアリティ) リスクと機会 課題解決に向けた戦略 目標KPI
(2020年度実績→2025年度目標)
関連するSDGs※2
日本全国あまねく誰にでも「安心・安全」な金融サービスを提供 リスク
  • 少子高齢化、DXやお客さまニーズの変化への不十分な対応による取引の減少
  • サイバー攻撃、システム障害発生等による社会的信用失墜
  • 全国の郵便局ネットワークの活用
  • 安心・安全を最優先に、すべてのお客さまが利用しやすいデジタルサービスの拡充
  • オープンな「共創プラットフォーム」の構築
  • お客さまに一層寄り添ったコンサルティング
  • 通帳アプリ登録口座数
    280万口座 1,000万口座

    (2023年3月末実績 745万口座)

  • つみたてNISA稼働口座数
    13万口座 40万口座

    (2023年3月末実績 23万口座)

3 すべての人に健康と福祉を 9 産業と技術革新の基盤をつくろう 10 人や国の不平等をなくそう 16 平和と公正をすべての人に
機会
  • 他行との差別化によるイメージ向上
  • 誰もが使いやすいサービスの提供による利用者数増加
  • 金融リテラシー教育による金融ニーズの増加
地域経済発展への貢献 リスク
  • 地域の人口減少による、マーケットの衰退
  • 地域コミュニティとの不十分なエンゲージメントによる機会の減少
  • 多様な枠組みを通じた地域への資金循環
  • 「地域の金融プラットフォーム」として、各地域の実情に応じた金融ニーズに対応
  • 地域リレーション機能の強化
  • 地域活性化ファンド出資件数
    累計32 50

    (2023年3月末実績 累計45件)

  • 事務共同化金融機関数
    3機関 20機関

    (2023年3月末実績 累計5金融機関)

8 働きがいも経済成長も 9 産業と技術革新の基盤をつくろう 10 人や国の不平等をなくそう 11 住み続けられるまちづくりを
機会
  • 地域経済の活性化によるマーケットの拡大
  • 多様なパートナーとの連携、地域の資本性資金ニーズへの対応による機会の拡大
環境の負荷軽減 リスク
  • 自然災害等による、ATM等の当行保有資産の毀損や投資先企業の信用リスクの増加
  • 市場運用で保有している、環境規制強化の影響が大きい企業の有価証券価値低下
  • 環境問題への対応が不十分と評価された場合の企業価値低下
  • TCFD※1提言に沿った取り組み強化
  • ペーパーレス化推進、CO2排出量削減
  • ESG投資の推進
  • CO2排出量削減率
    2019年度比▲60

    (2030年度目標)

    (2022年度実績 ▲50.8%)

  • ESGテーマ型投資残高
    1.2兆円 4兆円

    (2023年3月末実績 約3.2兆円)

13 気候変動に具体的な対策を 14 海の豊かさを守ろう 15 陸の豊かさも守ろう 17 パートナーシップで目標を達成しよう
機会
  • 環境課題に対する適切な取り組みと開示による、資本市場と社会からの当行への評価向上
  • 再生可能エネルギー事業等への投融資およびグリーンボンド等への投資機会の増加
働き方改革、ガバナンス高度化の推進 リスク
  • 人財不足等による経営戦略遂行の阻害
  • 従業員エンゲージメント低下による士気の低下
  • 不祥事件、コンプライアンス違反等発生や、マネー・ローンダリング/テロ資金供与等に対する態勢不備による社会的信用失墜
  • 社員の働きがい向上
  • ダイバーシティマネジメントの推進
  • 柔軟な働き方の拡大、ハラスメントの根絶
  • 独立性・多様性・専門性のバランスの取れた取締役会の構成
  • 女性管理職比率
    15.7 20

    (2023年4月時点 17.5%)

  • 育児休業取得率
    99.5 100
    (性別問わず)

    (2022年度実績 100%)

  • 障がい者雇用率
    2.7 2.7%以上

    (2022年6月時点 2.72%)

3 すべての人に健康と福祉を 4 質の高い教育をみんなに 5 ジェンダー平等を実現しよう 10 人や国の不平等をなくそう
機会
  • 多様な人財によるイノベーションの創出
  • 経営戦略と連動した人財戦略・人的資本投資による、組織の活性化、企業価値向上
  • 多様な働き方による生産性向上

※1:

Task Force on Climate-related Financial Disclosures の略。気候変動に関する企業情報開示の充実を目的として、主要国の中央銀行・金融監督当局等の代表が参加する金融安定理事会の提言のもと設立された組織。

※2:

Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略。2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2016年から2030年までの国際的な目標。

特定プロセス

ステップ1 検討すべき社会課題の抽出

以下を通じて社会課題を可能な限り網羅的に抽出。

  • 国際情勢分析(SDGs※2など各種国際的枠組み、国際基準、外部評価)
  • 日本の情勢分析(行政機関・金融業界)
  • 国際的なイニシアチブへの支持(SDGs、TCFD、CDP※3、国連グローバルコンパクト※4、GRI※5

※3:

Carbon Disclosure Projectの略。企業などの環境影響に関する情報開示システムを運営している国際的なNPO。

※4:

1999年の世界経済フォーラムにおいて当時の国連事務総長が提唱した、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み。

※5:

Global Reporting Initiativeの略。サステナビリティ報告書のガイドラインを制定している国際的なNPO。

ステップ2 対象とすべき社会課題の絞り込み
抽出した社会課題の中から、当行のパーパスや経営理念、事業活動内容等を踏まえ、外部調査機関の評価結果や外部有識者の意見等も反映して、当行が対象とする社会課題を絞り込み。
  • ゆうちょ銀行の事業活動との関連性
ゆうちょ銀行の経営理念や方針、サービス、事業内容を基に、当行の事業活動との関連性が乏しい社会課題を除外
  • ステークホルダーとの対話
外部調査機関の評価結果、外部有識者の意見等を参考に、当行に対する社会からの要請を踏まえた選定となっているかを確認
ステップ3 重点課題(マテリアリティ)マップの作成

当行が対象とすべき社会課題を、「ステークホルダーにとっての重要性」と「ゆうちょ銀行の事業活動によるインパクト」の2軸で整理し、マテリアリティマップを作成。
「ゆうちょ銀行の事業活動によるインパクト」については、ゆうちょ銀行が社会・環境から受ける影響等を踏まえ、ゆうちょ銀行が事業活動により与える影響が大きい社会課題を、事業との関連性が高いものとしてマッピング。

マテリアリティマップ
ステップ4 重点課題(マテリアリティ)の特定

経営会議、取締役会において妥当性を検討し、4つの重点課題(マテリアリティ)を特定。経営戦略に結び付けて取り組みを推進し、進捗状況については四半期に一度、経営会議と取締役会において確認。なお、重点課題(マテリアリティ)については、社会環境の変化を踏まえて定期的に見直しを実施予定
重点課題(マテリアリティ)の特定、評価、見直し等は、取締役会において協議のうえ、決定。

※:

2020年度、中期経営計画(2021~2025年度)の策定にあたって初めて重点課題(マテリアリティ)を特定。その後は、2~3年に1回以上の頻度で、社会環境や当行の取組みの変化等を踏まえ、重点課題(マテリアリティ)の見直しを検討。

4つの重点課題(マテリアリティ)