
人事部 人材開発室 グループリーダー 栁谷さん(司会。以下、栁谷):
本日は、「アルムナイ」をテーマにお話しいただきます。
アルムナイとは、企業を退職した元社員と退職後も関係を維持し、相互にメリットを得るしくみや取り組みのことを指します。
こちらのテーマを通じて、お二人が改めて感じたゆうちょ銀行のよさや他社と比較した際のギャップなど、さまざまな視点からお話をお伺いしていきたいと思います。それでは、これまで歩まれたキャリアと共に自己紹介をお願いします。

コンプライアンス統括部 グループリーダー 髙橋さん(以下、髙橋):
コンプライアンス統括部コンプライアンス調査室の髙橋です。私は2008年に入社し、初期配属は神奈川県の平塚店でした。
その後本社へ異動し、審査室(現:審査部)、経営企画部、東北エリア本部の営業企画部、本社法人営業部、コンプライアンス統括部、マネー・ローンダリング対策部、とさまざまな部署を経験してきました。
2022年にゆうちょ銀行を退職し、コンサルティング会社に転職しました。2024年5月にアルムナイの制度を利用し、現在コンプライアンス調査室に所属しています。
プライベートでは、2年前から飼い始めた犬と遊んだり、娘が料理に興味を持ち始めたので、休みの日に一緒に料理をしながら過ごしています。よろしくお願いいたします。

デジタル戦略部 マネジャー 林﨑さん(以下、林﨑):
デジタル戦略部共創プラットフォーム企画室の林﨑です。私は2010年に入社し、初期配属は埼玉県の桶川店でした。
その後、さいたま支店を経て本社へ異動し、人事部、グループ外他社出向、人事部、営業統括部、コンサルティング営業部(現:投資信託事業部)、コンプライアンス統括部を経験してきました。
2020年の12月にゆうちょ銀行を退職し、ゲーム会社に転職しました。その後は、2022年にクレジットカード会社へ再度転職し、2024年5月にアルムナイ制度を活用し、ゆうちょ銀行へ戻ってきました。
プライベートではバドミントンを高校から続けています。バドミントンプレイヤーは隠れがちなので、もしかしたらゆうちょ銀行にもたくさんいるのではないかと思っています。ぜひご一緒できたらと思います。よろしくお願いいたします。

栁谷:
ありがとうございます。お二人ともさまざまな組織・部署を経験されてきたんですね。
それでは初めに、どのような経緯でゆうちょ銀行を退職されて他社に転職する流れとなったのか、そしてその転職先ではどのような業務に従事されていたのかお聞かせください。林﨑さんからお願いいたします。

林﨑:
1度目の転職前は資産運用商品管理室で研修の企画などを行っていました。当時は新型コロナウイルス流行の真っただ中でしたので、バタバタしていた記憶があります。
転職をする最初の大きなきっかけとして、新型コロナウイルスが自分の中では大きいと思っています。コロナが流行していなくとも転職はしていたかもしれないですが、キャリア10年目という節目だったこと、ゆうちょ銀行ではさまざまな部署で経験をしていたことなどから、日本郵政グループとは異なる新たな世界に身を投じて、いっそう幅広く経験を積みたいと思い転職を決断しました。
転職という選択肢は極端ではあったかもしれないですが、自分なりにいろいろ考えて決断をしました。
家族からの反応は、やはり最初は驚かれました。コロナ禍でさまざまな環境変化があり、今後の見通しもなかなか見えない中での転職でしたので、ポジティブな反応ではありませんでした。ただ、自分なりに考えて決断したことなので、家族としっかりコミュニケーションをとり、最終的には私の意志を尊重して後押ししてくれました。また、子供がまだ小さかったこともあり、転職先の会社は転勤がない点や処遇がよかった点は、転職をするにあたりプラスの材料になったと思います。
前々職のゲーム会社では経営企画部に所属していました。ゆうちょ銀行にもある経営企画部のような部署で、グループ会社が企画しているゲームの業績管理やリリースの可否決定、経営会議事務局や取締役会の運営などを行っていました。また、広報部や総務部が担うような仕事も行っており、ゆうちょ銀行での3部署の仕事を1人で担当するような環境でした。
前職のクレジットカード会社では、ゆうちょ銀行でいう営業部門に所属しており、カルチャーや業務内容などもゆうちょ銀行と似たところがありました。そのため、徐々にゆうちょ銀行に近づくようなキャリアパスを描いてきたと思います。

栁谷:
経営企画部にいながら3部署に跨る仕事をする、というのはなかなかゆうちょ銀行では経験できないことですよね。
また、金融系の企業へ転職される方が多い中、ゲーム会社への転職は異色ですよね。

林﨑:
そうですね。早い段階でいろいろなことを経験してみたかった、という点も転職の理由の1つでした。また、ゲームは金融商品とは異なり、エンターテインメント商材ゆえに未利用顧客も多く、それらをより多くの人に手に取っていただく、というアプローチは金融機関よりも難しいところであり、醍醐味でもあったと実感しています。

栁谷:
ありがとうございます。それでは続いて髙橋さんお願いいたします。

髙橋:
私は転職前の4年間は、マネー・ローンダリング関連の業務に従事していました。当時はいろいろと大変な時期だったこともあり、顧客情報の管理を中心とした企画や、データを使用した企画・立案などを行っていました。前職はいわゆる4大ファームと言われる監査法人のコンサルティング部門に在籍していました。メガバンクを中心とした金融機関の支援、という形でコンサルティングを行っていました。転職前の4年間はずっとAML(Anti-Money Laundering)関連の仕事をしていたので、いわゆる専門職のような形で業務を行っていました。
ただ、もともとさまざまな部署を経験していたということもあり、自分の視野を広げたいと思い、またコンサルティングファームであればいろいろなプロジェクトに入ることで多様な経験を積めると思い、転職を決意しました。結果的に、転職していた2年間もずっとAMLを支援する業務を行っていました。正直なところ、この点が復職をしようと考えたきっかけでもあります。
家族の反応は林﨑さんとはまったく逆でした。妻がすでに3回ほど転職をしていたこともあり、私の転職も後押ししてくれました。
また、上の子が中学校に入るタイミングでゆうちょ銀行への復職前に有休消化もでき、環境が変わる中で子供のそばにいてあげることができた点はよかったなと思っています。

栁谷:
お二人とも家族からの強い反対がなかったという点が印象的です。本ディスカッションを視聴していただいている方の中にも転職を踏みとどまるポイントとして、家族からの反応や勤務地、処遇面を気にしている人は多いと思います。
そこを乗り越えて転職に踏み出せたという点はすごいなと感じています。同僚や上司など、ご家族以外の方に転職を考え直さないか、とは言われませんでしたか?

髙橋:
私はありがたいことにいろいろな方に言っていただきました。しかし、最後は自分自身で転職を決断しました。

林﨑:
私もありがたいことに、いろいろな方に声を掛けていただきました。私自身も転職への迷いはありましたが、会話を重ねる中で改めて自分の転職へ対する意志が固いことを実感し、最後は転職を決断しました。

栁谷:
最後はご自身の意思を尊重してくれる仲間がいたということはとても魅力的ですね。
続いてですが、転職先の企業ではゆうちょ銀行とは会社の雰囲気・風土なども含め、環境が大きく変化したと思います。
転職した当時、どのように感じていたかを教えてください。髙橋さんからお願いいたします。

髙橋:
私の転職先は外資企業でしたので、職場の風土はだいぶ違ったな、という印象があります。今ではゆうちょ銀行もフルフレックス制度があったりと、戻ってきて環境が変わったなと感じますが、転職前にゆうちょ銀行にいたころはずっと勤務時間が指定されていました。
そのため、最初は自分で始業時間・終業時間を決めることに戸惑いがありました。服装もお客さまのところに行くときしかスーツを着ていなかったため、ギャップを感じましたね。転職して一番戸惑ったことが、使用するOSがMicrosoftではなかった点です。
メールなどがすべてGoogleだったため、慣れるまでに時間がかかりました。また、メール文化ではなく、上司とのやり取りなどを含めて基本的にはすべてチャットでしていた点や、PowerPointなどもGoogle版のものであった点も戸惑いがありましたね。
人間関係については、もともといろいろな部署を経験しており、知らない人と話す機会が多かったことから、特に不安はありませんでした。参画したプロジェクトも転職前に従事していたAML関連だったので、仕事に対しての不安も特段ありませんでした。
お客さま対応については法人営業部時代以降長らく経験していなかったため、感覚を取り戻すのに少し時間がかかりました。
ただ、対応するお客さまは2年間同じだったため、最初にうまく対応できればそのあとは大丈夫という安心感はあったと思います。

栁谷:
ありがとうございます。やはり初出社は緊張しましたか?

髙橋:
初出社は写真撮影でした。基本的に会社のオフィスに行くことはあまりなく、プロジェクトがない間はリモートで仕事をしていました。
プロジェクトが決まってからの約1年半は、他企業に常駐する形で働いていました。

栁谷:
ありがとうございます。林﨑さんはいかがでしょうか?

林﨑:
クレジットカード会社については、ゆうちょ銀行とそこまで大きな違いはなかったため、ゲーム会社についてお伝えしようと思います。
イメージとしては、ゆうちょ銀行とはほぼ真逆でした。服装もそうですし、OSも髙橋さんと同じくGoogleでした。
コミュニケーションもほとんどチャットで行っており、勤務形態もフルリモートでした。また、WordやExcelのような現物のファイルを動かすのではなく、クラウド上で全員で1つのデータを共有していましたので、作業はとてもやりやすかった記憶があります。
また、当時は世間的にフルリモートが普及し始めたころでしたが、転職先のゲーム会社ではすでにリモートワークが浸透していました。
そのため、迎え入れてくれる側の方もフルリモートの環境に慣れており、フルタイムで私に声をかけてくださっていたため、人間関係での不安はありませんでした。また、在宅時に利用するモニターなど、設備面でも手厚いサポートがありました。環境変化は劇的で難しいこともありましたが、自分自身がそれを望んでいたこともありましたし、その変化も楽しめていたと思います。
業務的な面でもゆうちょ銀行とはほぼ真逆でした。就業規則や決裁基準など、どの会社にもあるようなコアな部分だけが整備されており、その他の部分については自由でした。そのため、よくも悪くも自分自身に直接説明責任が降りかかってくるような環境でした。この手順どおりにやったという観点ではなく、自分がどのような考えでその行動をとったか、という言葉が飛び交っていました。
ゆうちょ銀行ではさまざまな規定があり、それに則って行動することが多かったのですが、そのような環境から一変し、戸惑う部分もありました。ただ、自分自身一皮むけたような感覚があります。
また、経営陣と相対して働くことで、上層部がどのような判断軸を持っているのかを学べたことは非常に刺激的でしたし、その経験が今に活かせていると感じています。経営会議1つとっても、スピード勝負のような場面もありました。ただ、それがあたり前という世界で、平場で経営陣とコミュニケーションをとれたことは非常に面白かったです。また、エンタメ業界では金融機関とは異なる、とにかく前に進めるサービスリリースのアプローチなど難しくはありましたが、面白かったなと思います。

栁谷:
ありがとうございます。お二人とも社内のコミュニケーションはチャットで取られていたということですが、そのチャットにはどのレベルまでの上層部の方がいらっしゃったのでしょうか?

髙橋:
私の場合はプロジェクトのトップまで入っていました。ゆうちょ銀行でいうと役員クラスの社員です。

栁谷:
そうなんですね。上層部との距離が近い分、物事が決定するスピードが速そうですが、その分責任も増えるということですね。
これまで転職先での経験をお伺いしましたが、次はゆうちょ銀行に戻ろうと思われたきっかけ、理由を教えていただければと思います。
また、結果、ゆうちょ銀行に戻ってきてよかったと思うかについてもあわせて本音でお聞かせください。他社での経験が今に活きていると感じることやゆうちょ銀行に再就職される前と変わっていないところ、変えていくべきだと感じる点などもお聞きできればと思います。

林﨑:
ゆうちょ銀行に再就職しようと思ったきっかけは大きく2つあります。自分としての原点回帰とタイミングです。まずは原点回帰の部分です。
2010年に新卒でゆうちょ銀行を選んだ理由としてさまざまな軸がありましたが、いろいろなチャレンジをし経験を積む中で改めて自分のバックボーンを考えたときに、株式会社であるゆうちょ銀行が大きな存在である、ということを感じていました。
タイミングの部分では、転職後も定期的にゆうちょ銀行のWebサイトやプレスを見て情報を追いかけており、たまたまアルムナイの情報を見つけてエントリーだけしていました。そして、今年に入って大きなプロジェクトがひと段落し、この先何をするか考えたときに、偶然アルムナイのカジュアル面談の存在を知り、ゆうちょ銀行でもう一度チャレンジしてみようと面談を受けることにしました。
そういった意味で今回はいろいろなタイミングが重なったことが、再就職のきっかけになったと思います。

栁谷:
ゆうちょ銀行の情報はチェックされていたんですね。髙橋さんは見ていましたか?

髙橋:
見ていましたね。特に人事異動情報は気になっていました。

栁谷:
そうだったんですね。中にいるときはあまり見ない節がありますが、外に出ると気になるのかもしれませんね。

林﨑:
そういう意味ではずっと気持ちはゆうちょ銀行にあったのかもしれませんね。
他社にないゆうちょ銀行の強みとしては、会社の持っているものの大きさだと私は考えています。ゆうちょ銀行に戻ってこようと思った大きな理由にもなるのですが、外に出てこれだけ大きな預貯金やチャネルを持っている会社はなかなかない、ということが改めて分かりました。
それを活かすも殺すも我々次第ではありますが、その持ち物自体がないと、そこを増やすところからのスタートとなります。
中間決算などでも4桁億円などの数字が並んでいましたが、それが普通ではないことを改めて実感しました。そのような観点で、会社員として会社の持っているものを使うことができる、そしてそれをダイナミックに活かすことができる点は、ゆうちょ銀行のよさだと思います。このよさは、ゆうちょ銀行の外に出てみて再認識できた部分だと感じています。転職は極端なアクションであったかもしれませんが、いろいろなことを経験することで得ることができた、当たり前を当たり前だと思わない、という客観的な視点には刺激を受けました。ゆうちょ銀行に戻ってからも1つ1つの業務について、これは何に基づいてどのような目的でしているのか、前例踏襲をする際にも一度立ち返って、何のために、誰のために、ということを考えるようになりました。そのような根本的なところを考える、という点では前よりも洗練された状態で戻ってこれたと感じています。

栁谷:
たしかに外に出て改めて気づくゆうちょ銀行のすごさ、というものもあるのかもしれませんね。

林﨑:
そうですね。日々の業務の中で取り扱う何千件、何万件という数字についても、転職前はそれがあたり前になっていたため何も思わなかったのですが、すごい件数を扱っているんだということを改めて痛感しました。それゆえに責任も重大ではありますが、いかようにも活用できるという点で、ゆうちょ銀行は企画職として働くには非常によい場所なんだということを再認識しました。

栁谷:
ありがとうございます。それでは髙橋さんにもお聞きしたいと思います。

髙橋:
私は視野を広げたいという理由で転職をしましたが、結果的にAMLだけの仕事をすることになり、何のための転職だったのだろう、という気持ちを持っていました。アルムナイの制度については、同じチームにいた元ゆうちょ銀行の社員の方から教えてもらい、アルムナイ制度のプレスが出たときにすぐ知り、登録自体は済ませていました。AMLの仕事だけをするのであれば、もともとお世話になっていた方たちのところに戻って、他企業での2年間の経験を活かしてゆうちょ銀行に還元することができるのではないか、と思い、以前の上司に相談しました。そこから、3月末に面接を受け、5月にゆうちょ銀行に再就職をすることとなりました。
今はマネロンからは離れていますが、以前と同じコンプライアンス部門に所属しているので、他社で学んできたことをゆうちょ銀行に還元するという思いを持ってデータを駆使しながらやり方を変えていこうとしています。
コンサル会社を経験して感じたゆうちょ銀行のよいところは、ワークライフバランスがしっかりしているという点です。基本的に休暇はいつでも取れますし、就業管理もしっかりしています。反対に変わっていないなと感じた部分は、やはり昔からある縦割りの文化です。前職では1つのプロジェクトに対して、必要なスキルを持っている責任者を集めてチームを作り仕事をしていたため、他社であっても横のつながりがしっかりしており、お客さまが望んでいる成果を出せていました。その経験から横展開は大事だな、ということを実感しました。ゆうちょ銀行に戻ってきてからも、いろいろな部署を経験しており他部の知り合いも多いため、何かあったときは直接その方のフロアに出向いて相談するようにしています。直接話したほうが相手にも私の顔を知ってもらえますし、これは以前からですが今も心掛けている部分です。

栁谷:
たしかに、当時私はあまり髙橋さんとお話しすることはありませんでしたが、ゆうちょ銀行に在籍されていたときによくお見かけはしていました。
いろいろなフロアでお話しされていた印象があります。今お話しを聞いて、確かに直接顔を見て話した方が印象に残るんだなと感じました。

髙橋:
特に初めましての人については、その人と同じ部署にいる知り合いにどの人かを聞いて、直接話に行くように心掛けています。

栁谷:
髙橋さんのようなコンサルティング会社からゆうちょ銀行に戻ってきた方がいると、新たにコンサルティング会社へ委託などをするときにコンサル側の気持ちも分かる方なので、よいバランスをとれるのではないかと聞いていて感じました。
それではここで、質疑応答に移りたいと思います。『転職前と比べてご自身のキャリア観に変化はありましたか?』という質問をいただいています。林﨑さんいかがでしょうか?

林﨑:
間違いなくよい方向に変化があったと思います。転職せずともできる話ではあるのですが、私は転職しようと思ったタイミングで、自分の過去・現在・未来の棚卸を行いました。それを踏まえて新天地に飛び込み、そこで得たもの、蓄えたものでレールを変えるか変えないか、ということをよりいっそう考えるようになりました。5年後、10年後など、より長期的に物事を考えるようになったと思います。転職前は自分自身の考えを強く持つ部分もありましたが、家族含め、よりほかの人のことも考えられるようになった、という点では、大人になれたのではないかと感じています。また、転職を経験したことで自分自身の軸もより確固たるものになりました。ゆうちょ銀行で何をやりたいかということもより具体的に描けるようになったと思います。

栁谷:
ありがとうございます。髙橋さんはいかがでしょうか?

髙橋:
コンサルティング会社に転職したからというよりはほかの銀行を見てきて感じたことですが、ある程度の役職に就かないと自分のやりたいように仕事を進めることができない、ということを実感しました。もともと私は出世欲があまりなかったのですが、自分の意見を通したいのであれば、それなりの役職に就けるように今頑張らなければならない、と思っています。
私が担当していたのは民間の銀行でしたが、官に近い文化もあるところがゆうちょ銀行と似ており、より実感しました。
ただ、若い人の意見を頭ごなしに否定するのではなく、よい意見であれば尊重し採用するなど、柔軟に対応していきたいと考えています。

栁谷:
ありがとうございます。それでは次の質問に移りたいと思います。
『転職先の文化やしくみでゆうちょ銀行に取り入れたいと思ったことはありますか?』
それでは、髙橋さんいかがでしょうか?

髙橋:
なかなか難しいことは承知のうえですが、やはりシステム開発の遅さを感じました。転職先では、今月発生したトラブルは翌月にはすべて解決しており、短期間で開発が進んでいたことにはとても驚きました。プロセスに時間がかかってしまうことは仕方がない部分ではありますが、機動的に修正・開発ができる形を目指していかなければならないと感じています。

栁谷:
ありがとうございます。林﨑さんはいかがでしょうか?

林﨑:
私も髙橋さんと同じく機動的、という部分です。例えば決裁権限を全体的にもう一歩下ろしてもよいのではないかと思っています。
スピード化という意味で、決裁権限を下ろしたり、やらないことを決めるなど、改善できる部分はあると思います。

栁谷:
ありがとうございます。それでは最後の質問に移りたいと思います。
『外部を経験してきた結果、どのような人がゆうちょ銀行に向いていると思いますか?』
林﨑さん、お願いします。

林﨑:
一言で申し上げると、やはりお金を扱うため、誠実な人に尽きるかと思います。また、柔和な印象や、「この人と一緒にいたい」というようなファーストインプレッションもとても大事だと思っています。また、人とコミュニケーションをとることが好きな方はゆうちょ銀行に向いているのではないかと思います。

栁谷:
ありがとうございます。髙橋さんはいかがでしょうか?

髙橋:
お客さまだけではなくグループ会社など、話す相手が非常に多い企業なので、初対面の人でも会話ができる、話が好きな人はゆうちょ銀行に向いていると思います。電話をすることや話に行くことに最初から苦手意識があると話し方にも影響が出てしまうと思うので、柔軟に話ができる人は向いていると思います。

栁谷:
ありがとうございます。最後にお二人から視聴者の皆様へメッセージをいただきたいと思います。
それでは、髙橋さんからお願いします。

髙橋:
私たちは一度転職してゆうちょ銀行に戻ってきましたが、転職がすべてよかったとは正直思っていません。今は出向先も増えており、色々な働き方ができると思っています。もちろん転職も一つの手段ではありますが、「ほかの企業を見てみたい」、という考えであれば出向の制度を利用するなど転職以外の手段は増えていますので、瞬間的な気持ちで転職を決断するのではなく、さまざまある制度を自分で調べたうえで慎重に考えていただきたいなと思います。どこかで私を見かけたらぜひ声を掛けてください。ありがとうございました。

栁谷:
ありがとうございます。林﨑さんお願いします。

林﨑:
私も同じですが、やはり以前と比べると副業、兼業、キャリアチャレンジなど、ゆうちょ銀行の中にいながらできることがすごく増えたなと思っています。自分の人生なので最後は自身の覚悟次第ではありますが、せっかくゆうちょ銀行に入ったわけなのでいろいろと楽しめると思います。もし選択肢で迷っている方がいらっしゃいましたら、ぜひお声掛けいただけたらと思います。
総じて2人ともゆうちょ銀行が戻ってきたい会社だから戻ってきているわけで、すごくよい会社だなと思っています。ありがとうございました。

栁谷:
ありがとうございます。お二人からもありましたように、緩やかなスピードではあるものの、ゆうちょ銀行の中でできることは増えています。
ぜひお二人にお話しいただいたゆうちょ銀行の魅力を感じながら、ご自身のキャリアについて考えていただければ幸いです。
ありがとうございました。
ディスカッション実施日: 2024年11月26日
※所属や役職については、ディスカッション当時のものです。