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#05 他社出向の経験×広がる視座を活かして

ゆうちょ キャリアディスカッション #05 他社出向の経験×広がる視座を活かして

社員紹介(写真左から)
営業部門 ローン営業部 グループリーダー 山田 禎大さん
地域リレーション部門 投資事業推進部 グループリーダー 野田 駿さん
営業部門 デジタル戦略部 マネジャー 内田 昂佑さん

司会
コーポレートスタッフ部門 人事部 人材開発室 グループリーダー 栁谷 雅寛さん

2024年8月20日に、他社を経験したからこそ得られた知見・視座などを知る機会として、他社出向を経験した社員間でのキャリアディスカッションを実施しました。

栁谷さん写真

人事部 人材開発室 グループリーダー 栁谷さん(司会。以下、栁谷):
本日は、「他社出向」をテーマにお話しいただきます。
それでは皆様、簡単に自己紹介をお願いします。

山田さん写真

ローン営業部 グループリーダー 山田さん(以下、山田):
ローン営業部の山田です。2011年に入社し、営業店を2年、ローン営業部を5年経験した後、住宅ローン関係の会社に2年間出向しました。
出向復帰後はローン営業部、リスク管理統括部を経験し、ローン営業部に戻ってきました。
出向自体は5~6年ほど前で、当時産まれた子供はもう小学生です。出向先の方とは今でも飲みに行く間柄です。
プライベートでは、休日は子供と遊んで過ごす時間が楽しいです。

野田さん写真

投資事業推進部 グループリーダー 野田さん(以下、野田):
投資事業推進部の野田です。2013年に入社し、営業店を2年、営業統括部でお客さま向けのサービス企画を5年ほど経験しました。
その際、興味のある業務を希望したところ、出向の話が挙がり、2年間ファンドの運営会社に出向しました。出向復帰後に配属された投資事業推進部では、出資先の選定や新しいファンド運営の立ち上げ等に携わっています。プライベートでは2歳の子供からも日々刺激を受けており、お店屋さんごっこのおもちゃが電子決済であることに驚きました。今日は出向に対してポジティブなお話ができればと楽しみにしています。

内田さん写真

デジタル戦略部 マネジャー 内田さん(以下、内田):
デジタル事業部の内田です。2016年に入社し、お二人と同じく2年間の営業店配属後、経営企画部でゆうちょPay等のサービスを企画していました。
その後、2020年に発足したデジタルサービス事業部でアプリの立ち上げ等に携わり、IT系の会社に出向しました。出向復帰直後から、現職です。
私も2歳の子供がいて、先日保育園のお迎えの時にゲリラ豪雨に遭いびしょびしょになったりと、毎日楽しく過ごしています。

栁谷さん写真

栁谷(司会):
私自身、グループ外への出向経験はありませんので、今回のお話はとても興味深いです。
まず最初に出向した経緯についてと、出向先の会社概要や担当業務等をお聞かせください。

野田さん写真

野田:
プライベートエクイティファンドの運用会社に出向していました。
私が担当した業務は非上場企業への投資検討部署で、投資検討時の企業分析や投資先への支援を行っていました。
もともと顧客基盤作りに関する企画業務を担当しており、顧客基盤を基に新たな付加価値を生み出すようなプロセスに興味を持ちました。
ゆうちょ銀行の中期経営計画で地域への資金循環を進めていく話を受けて、全国のゆうちょ銀行・郵便局でお預かりしたお金を地域に還元していくコンセプトに魅力を感じました。
もともと社内の関係部署への異動を希望していましたが、社内よりはファンドの運営を行うような他社の方が勉強になるのではと上司から話を受け、出向に至りました。

栁谷さん写真

栁谷(司会):
出向前とは全く異なる業務なのかと思っていたのですが、意外と接点があるものですね。

野田さん写真

野田:
当時は営業部門という意味では同じジャンルでしたが、出向先は投資運用業という、どちらかというとゆうちょ銀行の市場部門に近い仕事だったので、かなり新鮮でした。
全く新しいところに飛び込む機会でした。最初はその分大変でしたが、よい経験だと思っています。

内田さん写真

内田:
私の出向先はDX推進を目的としたソリューションの提供を担う企業で、AI関連のプロジェクトマネジメント業務に携わりました。
具体的には、AIを使って取引先がイメージしているサービスを具体化したり、AIを使ってできるサービスの提案をしたり、AIの作成~運用までのスケジュールや運用に向けたタスクの管理をしたりしました。
もともと出向直前のデジタルサービス事業部ではスマホアプリの運営や企画をやっていたので、DX人材の育成の一環で、トレーニーとして出向したというのが経緯です。
最初はアシスタントを経験しましたが、半年後にはプロジェクトマネジャーとしての業務を任せていただきました。

栁谷さん写真

栁谷(司会):
マネジャーを、ということは裁量権があったということでしょうか。
戸惑いはありませんでしたか。

内田さん写真

内田:
マネジャーとアシスタントに明確に上下があるわけではないのですが、マネジャーになると一気に裁量権が与えられるので戸惑いました。
1つのプロジェクトに対し自分の裁量権で進められる経験は貴重で、今も仕事を進めるうえでのマインドに役立っていると感じます。

山田さん写真

山田:
私は、もともとローン営業部で個人ローンの本体参入や認可申請の業務に携わっており、ちょうど口座貸越の認可が下りたときでした。
二の矢三の矢を放つといった状況の中、住宅ローン参入について検討し始めたタイミングで、住宅ローン関係の会社に出向する運びとなりました。
住宅ローンに関するノウハウを勉強するように、との意図があったのだと思います。
ゆうちょ銀行では営業店にいたころも含めてローンに携わっていたので、ローンそのものの商品性には詳しいつもりでしたが、出向先では会社全体のALMやリスク管理も視る必要があり、知見が少なく戸惑いはありました。

上段:ディスカッションの様子 下段:地域リレーション部門投資事業推進部グループリーダー野田駿さん、営業部門ローン営業部グループリーダー山田禎大さん、コーポレートスタッフ部門人事部人材開発室グループリーダー栁谷雅寛さん、営業部門デジタル戦略部マネジャー内田昂佑さん
栁谷さん写真

栁谷(司会):
次に出向先の経験についてお伺いします。
着任された当時のことや、当時のやりがい、不安だったことなどお聞かせください。

内田さん写真

内田:
出向したのは2022年、コロナ禍でした。ゆうちょ銀行ではあまりリモートが進んでいない時期でしたが、出向先はほぼフルリモートでした。
最初の1年は、月に1回出社するかどうかでした。ちょうど子供が生まれたタイミングだったので、家にいる時間を確保できたところがよかったと思っています。
一方で、一緒に仕事をするメンバーとのコミュニケーションもほとんどがオンラインでの会話だったため、気軽なコミュニケーションが取りづらかったという面はありました。
服装は自由だったので、出向の2年間でスーツは片手で数えるほどしか着てません。ゆうちょ銀行に戻ってスーツを着るのが嫌だなと思ったこともあります。(笑)
また、ゆうちょ銀行では業務を発注する側ですが、出向先では業務を受注する側の仕事を経験し、オーダーに応えていくベンダーの方々の大変なご苦労を思い知りました。

栁谷さん写真

栁谷(司会):
ゆうちょ銀行からIT系のベンチャー会社に出向するのは珍しく思われたのではないでしょうか。

内田さん写真

内田:
確かに意外なところから来たと珍しがられたと思いますが、歓迎していただきました。

山田さん写真

山田:
私の出向先は、社風はゆうちょ銀行と近かったと思います。私が行ったときはコロナ前のため、出社が基本で飲み会も頻繁にやっていたため溶け込みやすく感じました。
出向先とゆうちょ銀行は、出向受け入れに関して交流が盛んであっため、私が元々知ってる人もいたりと、かなりやりやすい環境でした。
業務面では住宅ローンのリスク計量や残高予測、ALMの最適化などはゆうちょ銀行で経験がなく、とても新鮮に感じました。
たまたまプライベートで住宅ローンを組もうと考えていた時期だったので、商品のしくみやローンに関する学びが大分活かせたなと思います。

栁谷さん写真

栁谷(司会):
社風が近いとのことでしたがどんな方が働いていたのでしょう?

山田さん写真

山田:
長く勤務している人が多く、中途採用社員や出向者はあまりいませんでした。同時期に入った中途採用社員の方や出向者の方は、同期の感覚で親しくさせていただきました。

野田さん写真

野田:
私も出向当時は内田さんと同じコロナ禍だったので、最初はコミュニケーションの取りづらさがありましたが、徐々に解消しました。
一方、仕事内容は全く異なるジャンルで、高い専門性が求められました。
公認会計士や司法書士等、専門的な知識に富んだ方が多い中で、ここまではできて当然というレベルが、当初、私には高すぎたため、最初は必死になって勉強しました。
慣れてくると仕事は本当に面白く、やりがいを感じました。企業分析をしたり、また、投資先と比較的距離が近く、中小企業ですとこんなことをしましょうと話をした結果が早くに見えたりしました。一緒になってサポートしていけるところが、仕事としては非常に面白かったと思います。
また、私自身出向前は同じ部署が長かったということもあり、投資の検討等を行う中で、色々な業界のさまざまなビジネスモデルを見られたことで新しい学びを得られたと思っています。
ゆうちょ銀行との違いで言うと、若手社員の裁量が凄く大きく、年次が近い上司の方が投資先の取締役と対等に経営方針について議論をしていました。
私も投資先の経営会議に一人で伺い、会社の代表として質疑応答する等、よい意味で緊張感がある場を経験・勉強させていただいたと思っています。

栁谷さん写真

栁谷(司会):
凄いですね。働き方もゆうちょ銀行にいたときとは異なりましたか。

野田さん写真

野田:
私は大阪の会社も受け持っていたので、毎週大阪に通っていました。
数年分の新幹線を経験した感覚です。ちょうど子供が生まれた時期で大変な部分もありましたが、コロナ禍で出社が少なく、リモートが多い分バランスは取れていたと思います。

栁谷さん写真

栁谷(司会):
お三方に質問です。出向先で一番冷や汗をかいた事件、失敗した経験はあるのでしょうか?

野田さん写真

野田:
しょうもないことですが、経営会議に一人で伺った際、社長の思いつきで最近あった面白い話をする流れになり、めちゃめちゃスベりました。シーンとしてましたね(笑)

山田さん写真

山田:
ゆうちょ銀行からの出向ということで周りからの期待が大きく、ローンだけではなくゆうちょ銀行全体を知っていると思われていました。ですから、ゆうちょ銀行の場合は?といった手の質問をよく受けていたのですが、知りませんとも言い辛くて…リクエストに応えられるよう、並行してゆうちょ銀行のALMなりリスクなりを勉強していました。
こちらは出向先の業務を教えてくださいというスタンスで出向に行ったのですが、出向先からはゆうちょ銀行の看板を背負って、ゆうちょの全体を知る人として迎えられたのでなかなか大変でしたね。

内田さん写真

内田:
トレーニーの立場で出向しているので、私に対しての期待値は全然高くなく、最初はミーティングの議事録を取るところから始めていました。
とはいえ、AIに詳しい人たちが話す内容なので結構必死でした。私も参加した対面での打ち合わせだったのですが、「内田さんのタイピングは音がうるさすぎる」と苦情を受けたことがあります(笑)

栁谷さん写真

栁谷(司会):
本音ベースでお答えいただきたいのですが、結果的に、出向してよかったでしょうか?
その理由や、今に活きていることを含めてお話しいただけますか。

山田さん写真

山田:
結論、私は凄く行ってよかったなと思っています。延長したいと思うぐらい、もう1回行きたいです。出向先では、出向先の法人全体を見るような部署を経験しましたが、もともとゆうちょ銀行全体のことをあまり知らずにいたので、戻ってきてからは、特に意識して全体がどういう動きをしてるのかを見るようになりました。
それが動機となり、出向復帰後、ゆうちょ銀行全体を見るような部署であるリスク管理統括部に配属されたときは、色々と勉強したので、動機付けとして凄くよかったと思っています。
また、ローン営業部が長かったので、異動を出すか迷っていたものの、どこの部署も何をしているのか分からない状態でした。
出向先で全然違うような業務をさせていただいたのは、自分で勉強するきっかけとなり、凄くありがたいものでした。

野田さん写真

野田:
私もよかったと思ってます。仕事にダイレクトに活きてるという意味では、今まさに、「ゆうちょ銀行としてどのファンドに出資をするか」といった業務に携わっています。
また、出向から戻ってきたらΣビジネスとして、自前でファンド運営を進めていくという話が会社として出ており、その検討部署に入る中で、出向を通してファンド運営に関する現場感を持っていることが1つ大きなメリットであると思っています。また、直接業務に関わらないところでも、いろいろよかったなと思っています。
まず、投資先の会社をとおして、1つの部署の仕事だけではなく、法務、人事、財務会計等、幅広い業務に触れることができ、勉強になりました。
また、営業部門にいたころとは関わりのないさまざまな業界・企業を見させていただいたことで、興味の幅が広がりました。直接仕事と関わりはなくても、自分にとってよかったと思います。

内田さん写真

内田:
私も出向してよかったと思います。AIのソリューションを提供する部署でしたので、取引先とのミーティング等で話すときには一定のAIの知識が必要で、勉強も結構しました。
AIのモデルを作るのはデータサイエンティストが担っていましたので、AIを作るのではなく、AIとはどういうもので、どういう目的で、どういう使い方をするのかという点を学びました。
データサイエンティストが話す内容は専門的すぎるので、取引先には内容が伝わらないことがあるんです。
双方の間に入り、できること・やりたいことをお互いが分かりやすいように伝えるために、AIに関する最低限の知識を勉強する必要がありました。AIの知識が身に付いたのはよかったです。
また、プロジェクト推進に関して責任を持つという、ゆうちょ銀行では役職が上がらないとなかなかできないことを経験させていただきました。
出向復帰後も、マインドとして非常に役立っていると感じています。
ゆうちょ銀行での本格的なAIの活用はこれからだと思いますし、フロント社員の営業活動補助としてAIが活用できたらいいのかなと感じます。

栁谷さん写真

栁谷(司会):
ありがとうございます、みなさん出向されてよかった、とのことですね。
そのうえで、戻ってきて改めて感じた『ゆうちょ銀行のよさ』はありましたか?

山田さん写真

山田:
企業として大きいのでどのセクションにおいても、大きな規模でヒトやモノを動かす業務に取り組める点が面白いと思います。
他企業だと、ここまでの規模はなかなかないのではと思います。

野田さん写真

野田:
対外的な信頼度が違いますね。
同じ投資するという立場にしても、一般的なファンド運営会社ですと、まず、こんな支援ができるから我々から投資をさせてくれ、と自分たちで信頼を勝ち取っていく部分がありますが、ゆうちょ銀行の場合にはぜひ投資をして欲しい、と企業側から直接声を掛けていただける事例もあり、凄いことだな、と思います。
また、ゆうちょ銀行は社会的貢献と収益の両立を目指していくことを打ち出していますが、そういったコンセプトに真剣に向き合い取り組んでいくことは、体力のある会社ではないとできませんし、特色がある部分かと思います。

内田さん写真

内田:
会社としての安定感があり、ずっと働いていく会社としての安心感があります。
また、ゆうちょ銀行で現在取り組んでいる仕事に関して言うと、自社サービスの検討を行う中で自分たちがやりたいことを描いて実現していくこといったことができていると感じています。

栁谷さん写真

栁谷(司会):
一度他社の別の仕事を経験したからこそ知れたよさですね。
いろいろな経験を戻ってきた時に活かせる、というのは出向の大きなメリットですね。
出向前と比べて、ご自身のキャリア感や目標に変化はありましたか。

内田さん写真

内田:
私はそれまでのゆうちょ銀行では携わる機会の少ないAI関連の仕事ができましたし、プロジェクトマネジメントについても勉強したので、今後のキャリアの選択肢として、AIに関連するものや、マネジメントスキルを活かせる業務に携わっていきたいと思うようになりました。

野田さん写真

野田:
出向先で未経験の仕事を面白いと感じ、専門職的なキャリアもよいかもしれない、と考えるきっかけになりました。
そもそもキャリアを見つめなおすよい機会になりました。

山田さん写真

山田:
他の会社の人と話す中で、ゆうちょ銀行全体のビジネスモデルや、自分の専門性は何かを意識するようになり、勉強したいと思うようになりました。

栁谷さん写真

栁谷(司会):
それでは、最後にメッセージをお願いします。

山田さん写真

山田:
異動先に迷ったり、転職も考えてる人もいると思いますが、特にリスクなく他の会社を見れるという意味でも、すごくいい経験かなと思います。
比較しないと客観的にゆうちょ銀行のよさに気付けない部分がありますし、凄くおすすめです。今日はありがとうございました。

内田さん写真

内田:
出向に行くモチベーションとして今までやってきた経験を活かしたいというのもよいことだと思いますが、そうではなくて、特に私とか全然違う分野に行って、未知の領域の仕事をやってみたいから出向するというのも、全然ありだと思います。
今の仕事に活かすことにこだわりすぎず、新しいことにチャレンジをする機会として希望されてみてもいいのではないでしょうか。

野田さん写真

野田:
全然違うジャンルの仕事のため、出向すると何かしら新しいことがあり、最初はカルチャーショックもあると思います。とはいえ、出向期間の中で慣れてくるものです。
自分の興味を幅の広げる意味でも、おすすめかなとは思いますので、出向を考えられてる方は選択肢の1つとしてぜひ検討していただければと思います。

栁谷さん写真

栁谷(司会):
みなさんありがとうございました。
今日のお話を聞いて、皆さんがキャリアについて考えるきっかけになれば嬉しく思います。

営業部門ローン営業部グループリーダー山田禎大さん、地域リレーション部門投資事業推進部グループリーダー野田駿さん、営業部門デジタル戦略部マネジャー内田昂佑さん、コーポレートスタッフ部門人事部人材開発室グループリーダー栁谷雅寛さん

ディスカッション実施日: 2024年8月20日
※所属や役職については、ディスカッション当時のものです。