
人事部 人材開発室 グループリーダー 栁谷さん(司会。以下、栁谷):
今回は、「管理者のやりがいと本音、様々な組織でのマネジメント経験」をテーマにお話しいただきます。
司会は第1回に引続き、私栁谷が務めさせていただきます。
私は、ゆうちょ銀行には転職してきたのですが、来年で入社して20年を迎えます。営業店で投資信託販売に携わってから、本社に異動し、事務部門では興野さんとご一緒したこともありますね。
そのほかにも、エリア本部や、日本郵便・日本郵政への出向等も経験し、今はまたゆうちょ銀行に戻ってきて、人材開発室にいます。
それではみなさま、これまで歩んでこられたキャリアとともに、自己紹介をお願いいたします。

総務部 部長 倉澤さん(以下、倉澤):
総務部の倉澤慶子と申します。
経歴は、新卒で当時の郵政省に入省し、その後、民営化でゆうちょ銀行に参りました。転職などはしていませんが、組織が大きいのと、組織自体が大きく変革していますので、
いろんな仕事を経験させてもらい感謝しています。管理者としては、郵便局とゆうちょ銀行の窓口に10年携わり、本社ではコンプライアンスの研修やサステナビリティの推進を担当し、今に至ります。
趣味は、猫と遊ぶことです。猫を2匹飼っていまして、2匹とも7㎏を超え、まあまあ大きめです。毎朝、猫に踏まれて起きるという幸せな日々を過ごしております(笑)。本日はどうぞよろしくお願いします。

事務統括部 専門役 興野さん(以下、興野):
事務統括部の興野淳史と申します。
倉澤さんから猫の話が出たので、先にプライベートの話をしようと思いますが、私も猫マニアというか、猫オタクです(笑)。8年前に子猫を1匹迎えまして、それ以降猫が大好きになりました。
経歴は、今から30年ほど前の1995年に当時の郵政省に入省し、最初は郵便局で、貯金・保険・郵便の窓口に携わりました。その後、30歳になる年に本社に異動し、そこから20数年経ったところですが、
管理者としては2018年からで、途中2020~21年度に都内の営業店で店長を経験しました。店長当時の経験や感じたことを糧にして、今は、本社の事務部門で「フロントラインにとって何がベストか」を考えながら、
日々仕事に取り組んでいます。
私の経験がどこまでみなさんのためになるかはわかりませんが、逆に「些細な行動でも、チームメンバーのやる気が起きたり、活性化に繋がったりするんだな」と、これから管理者を目指すみなさんにも安心して
聞いていただけると良いなと思いますので、よろしくお願いします。

システム開発第一部 グループリーダー 森迫さん(以下、森迫):
システム開発第一部の森迫勇太と申します。
経歴は、2009年に採用され、出身と同じ大阪府にある営業店で1年間経験したのち、本社のシステム部門に異動し、当行のシステムに携わることとなりました。
本社では、貯金事務センター(以下、JC。)のシステムに携わっていたのですが、同じJCでありながらも、営業店から見えるJCと本社から見えるJCとでは違いがあるように思えました。
「実際にJCを見てみないと分からないな」と思い、社員申告書(※1)でJCへの異動を希望し、2年間東京JCにおりました。その後、本社に戻ってきてから、再びJCに関連するシステムに携わり、数年後、
管理者として、沖縄エリア本部の貯金事務管理部というJC機能を持つ部署に異動しました。今は、本社でJC関連システムの更改に取り組んでいるところです。
プライベートは、4歳と2歳の子どもがいますので、休日は一緒に外出したり、遊んであげたりしています。
興野さんもおっしゃっていましたが、これから管理者になる方の考え方の一つの参考になればと思いますので、よろしくお願いします。

栁谷(司会):
今回は特に、様々な組織でのご経験にも焦点を当てながら、みなさんそれぞれの立場での管理者としてのやりがいや本音についてお話しいただきたいと思います。
まずは、今にフォーカスし、「管理者としてのやりがい」をお聞きしてみましょう。
私自身は、メンバーが楽しく仕事をできるようなバランスの良いチームをつくるために毎日尽力しているところで、そこに管理者としてのやりがいを感じておりますが、みなさんいかがでしょう。

森迫:
私が管理者のやりがいを感じる瞬間は、任されたチームが、チームとしてまとまって動いていくのを感じた時です。
今のチームは、私の部下としてマネジャー1人と若手が3人。私含めて計5人です。若手は特に、システム更改プロジェクトに携わるのが初めてですので、プロジェクト遂行のために「やらなければならないこと」と、若手自身が興味を持った「やってみたいこと」と、管理者として若手に「経験してほしいこと」という3つの要素がある中で、どのように若手を育成しつつ、業務を遂行するか、マネジャーと相談しながら進めているところです。
皆の頑張りで、若手が「これまでできなかったことができるようになった」「自分の関連業務について積極的にアンテナを立てるようになった」「得た知識を互いに教え合うようになった」、という良い循環が生まれているのを目の当たりにすると、やって良かったと思いますし、次のステップをどう進めていくかという面白みも出てきますので、楽しいと感じます。

興野:
私のチームは、私と担当調査役の2名しかいませんので、チームの活性化については、大きく注力をしなくとも大丈夫な環境です。
一方で、私が所属している事務統括部のミッションのひとつとして、フロントライン向けのマニュアル作成やマニュアル改正時の研修テキスト作成等をしており、私は、自身が所属する部署以外も含め、複数チームが作成してくださったものをまとめ、俯瞰的に見てより良いものにしていくという立場におります。
よって、おのずと一つのチームだけでは解決しきれない課題や悩みが見えてきますので、目詰まりを起こさないように、チームの垣根を超えて関係メンバーとコミュニケーションをとりながら全体を活性化させていくことが、管理者としてのやりがいに繋がっています。

栁谷(司会):
森迫さんは、チームの成長が喜びに繋がっていて、興野さんは、チームの構成もまた違い、広い視野が求められる特殊な状況にいらっしゃるんですね。
倉澤さんは、管理者の中でも部長職という、まさに総務部という一国の主ですが、いかがでしょうか。

倉澤:
一国の主ときましたか、なんだか戦国の武将みたいですね(笑)。私は、戦国の武将のように先頭を走っていくような力のある「かっこいいリーダー」というわけではありません。
管理者になった時、先頭に立って戦うタイプではない自分が管理者としてできることは何だろうと考えたのですが、私は、皆を応援し皆に力を出してもらう、「サーバント型」のリーダーだと思います。
「サーバント型」のリーダーとして社員と接していると、時々、急に花が開くように力を付けていく社員に出会います。
真面目で自分に厳しいために、うまく能力を発揮できていなかった人が、「サーバント型」のリーダーだと肩の力が抜けるのか、元々の力をどんどん発揮するようになる。
そのような社員に出会うと、やりがいがあるなと感じますし、そういう社員がたくさん増えていくと嬉しく思います。

栁谷(司会):
よく「人的資本経営」とは言われますが、みなさん共通して、人が成長していくことや、課題が解決に向かっていくことに喜びを感じていらっしゃるのだなと感じました。
続いて、みなさん過去にも「いろいろな組織でのマネジメント経験」がおありですので、そこをお聞きしていきたいと思います。
さきほど、一国の主、なんていう話もありましたが、興野さんは営業店での店長経験がおありですよね。今とはまた違う醍醐味があったと思いますが、着任された当時のことや、やりがいに感じていたこと、今に生きているご経験があれば教えてください。

興野:
営業店の店長に着任したのは2020年4月1日でした。日本では新型コロナウィルスの感染者が急増し、間もなく緊急事態宣言が発令され不要不急の外出を控えていた時期です。
会社としても、営業店窓口の社員も含め、出勤を抑制し在宅勤務とすることが求められました。おそらく、当行の歴史で初めてだと思います。
店長に着任してわずか1週間、社員数は全員で15人でしたが、皆の顔と名前もまだ覚えきらない中、約半数とは直接会うことができなくなってしまったという、今思い返すとかなり特殊な状況でした。
一方で、そういう特殊な状況だったからこそ、経験できたことがあるように思います。一例としてですが、世の中的に外出を控えている時期でしたので、当然に来店するお客さまは少なくなりましたし、我々からもお客さまを訪問することは殆どできなくなりました。とはいえ、会社として成り立っていくためには、ゆうちょの商品の良さを広くお客さまに知っていただくための活動は続けていかなければならない。
そんな思いが皆にありました。そこで、「どうすればこのような状況下でもお客さまにアピールできるか」を皆で考え案を出し合い、店舗前を通る通行人の方にも当行の商品・サービスを知っていただけるよう、店舗の窓ガラス越しに各種商品案内のPOPを飾り付けることにしたのですが、15人いれば考え方や捉え方、得意不得意も15通り、積極的に動いてみる社員もいればそうではない社員もいる。
時間はかかりましたが、一人ひとり言葉を変えながら繰り返し向き合っていくことで、一つずつ課題をクリアし、最終的にチームとしての一体感も生まれ良い成果が得られたと自負しています。

栁谷(司会):
コロナ禍という、何をするのが正解かがわからない前代未聞の状況だったと思いますが、もしかすると、これからそういった状況下で営業店の店長や管理者を経験する社員もいるかもしれませんよね。
森迫さんが管理者として沖縄にいらしたのも、たしか同じくコロナ禍でしたか。

森迫:
そうですね、まさにコロナ禍でした。
沖縄にいるのに外に遊びに出かけられないということは結構つらかったですね。休日が充実しないとモチベーションにも関わってしまうので…。子どもを連れて、児童館にばかり行っていました。
プライベートは少し残念に感じることもありましたが、仕事では、コロナ禍という特殊な状況だからこそ経験できたこともありますし、興野さんと同じく、コミュニケーションは特に経験できてよかったことの一つです。
営業店もそうですが、JCは、一つの遅滞やミスでお客さまに大変なご迷惑をお掛けしてしまいますので、迅速性と正確性が求められます。社員は皆、大きなプレッシャーの中、できる限りミスを発生させまいと自分のルーチンをしっかりと固めています。ですので、変化が浸透しづらい環境です。尤も、管理者は異動のスパンが短い傾向にあるので、社員からしてみれば、管理者が変わるとやり方も変わる、けれどもミスはしてくれるなというのは、やはりしんどいはずです。実際に、ぽろっとそんな本音をこぼしてくれた社員もいました。
それでも、「どうやったらより良くなるか」という想いを諦めずに、貯金事務管理部を一つにするか、と考えたときに、やはり大事なのがコミュニケーションでした。
社員にはそれぞれにこれまで積み重ねてきた自負があるので、理屈だけで押し通すと、自分が否定されたように感じてしまう方もいるでしょうし、急にやって来た人から急に何かを言われたところで、気持ちが追い付かないという方もいるはずです。そして、初めにそういう状態にしてしまうと今後もそういう関係性が続いてしまうかもしれないと思い、それだけは避けたかったんです。
そのために、まずは、チームメンバーは勿論、50名程度いた部のメンバー全員の顔と名前を二週間で必死に覚えたり、期間雇用の社員が主に対応してくれていた庶務も、手が空いていなさそうであれば率先して動いたり、月に一度は年間目標から雑談まで一対一のコミュニケーションをとったりして、徐々に、年齢や役職に囚われず対等に想いや意見を言ってもらえるような関係づくりをしました。
うまく関係性が構築できてきたと感じられてから、やっと私の「より良くするためには」という想いを伝えていくフェーズに移りました。やりたいことを伝えるにしても、全体周知だけにとどめて良いものか、一対一で想いを伝えるべきものか、伝え方や距離感を意識しました。こういった経験は人生で初めてでしたが、社員としっかりコミュニケーションを取り、やりたいことを実現できたことはとても良かったと思います。
2年後、再び本社に戻ってきてからは皆テレワークだったので、コミュニケーションの取り方が全く違って戸惑いました。JCでやったことがそのまま実践できないぞ!と(笑)。
とはいえ、新たに始まった1on1(※2)はJCでやっていた一対一の対話と似ているところがありますし、やはり社員一人ひとりとの向き合い方はそれぞれ異なりますので、これからにも応用できるいい経験だったと思います。

栁谷(司会):
ありがとうございます。JCは人数も多いですし、コミュニケーションのとり方や相性もそれぞれでしょうから、濃い2年間だったんですね。
お二人の話を聞いて、倉澤さんはいかがですか。

倉澤:
お二人がしっかり話してくださったのでこれ以上付け加えることもないのですが(笑)、まとめてしまうと、直営店もJCもいわゆる「現場」の組織で、現場に求められるマネジメントって、本当の意味でのマネジメントだと思うんです。
組織をまとめて、人をまとめて、仕事をまとめて、結果を出す。管理者として、「マネジメントって何だろう?」としっかり考え、日々意識しなければならない。また、自分一人の影響力もすごく大きい。
営業店なら営業店、JCならJCを「一つの組織として成り立たせなければならない」という意味で、とても責任が重いと感じています。
一方、本社では、現場で管理者をしていたときほどマネジメントの色が強くないように感じています。本社の一つの部署は、本社という大きな組織の中でのパーツで、例えば人事関係は人事部だったり、お客さま向けの事務手続については事務部門だったり、それぞれの部署が担ってくださいます。ですので、現場の管理者として「組織ってなんだ?」「管理ってなんだ?」「経営ってなんだ?」とマネジメントとしっかり向き合うことは、とても意味のあることだと思います。


栁谷(司会):
ありがとうございます。みなさん、これまでの経験が、今に生きていることもあるのですね。とはいえ、マネジメントは一筋縄ではいかないことが本当にたくさんありますよね。
みなさんの、「まだまだこれからの成長ポイント」だと思っていることも、管理者の本音としてぜひお聞かせください。
森迫さん、部下の成長やコミュニケーションをやりがいとおっしゃっていましたが、陰での苦労や本音もあるのではないでしょうか。

森迫:
そうですね。部下の成長がやりがいであることは確かで、ただ、部下に成長してもらうには自分が導かなければいけないな、と常々思っているところです。
JCでの経験があったからこそできることは多くある一方、長いシステム経験でも、実は今携わっているシステムは初めて扱うものですし、プロジェクトを進めていく中でも初めての経験があります。
そんな初めてづくしの状況で、誰かから何か聞かれても即答できず、日々自分の知識不足や勉強不足を痛感しています。また、聞いてきてくれた社員に対して、すぐに答えをだせないことで、すぐに導いてあげられないということに申し訳なさも感じます。
そこが正直、自分の心が削られてもいるところだな、と思っています。答えを出せないとはいってもそのままにはできないので、別の社員に聞いてもらう必要があるのですが、聞いてきてくれた背景などを理解して、一旦私自身で別の社員に聞くようにしています。
そして、自分で咀嚼して、聞いてきてくれた社員に返す。そうやって、できるだけ相手が困らないようにはしていますが、日々新しいことが出てきて、内心「わー!」と思いながらやっています(笑)。
申し訳なさもありますが、だからこそ、私自身どんどん成長してきたいなと日々思っています。

興野:
森迫さんから、わからないことがあって困っているというお話しをしていただきましたが、まさに、と共感しながら聞いていました。
私も、いろんな知識をすべて持っているわけではないので、何かやろうと思うと、必ずいろんな課題にぶち当たります。
チームのメンバーから、「これ、どうしましょう」と相談を受けたとしても、即答できないということは日々、多々あります。そんな中でも、敢えて申し上げると、少し厚かましいような聞こえ方にもなってしまいそうですが、「自分が困っているときは、きっと誰かが助けてくれるだろうから」と信じ、だからこそ逆に「誰かが困っているときは、自分のできる限りでしかないけれども、絶えず助けて協力しよう」と心掛けています。
一つ、濃い経験があります。営業店の店長をしていたころ、営業区域内の小学校で、給食費等の支払いにゆうちょの自動払込みサービスをご利用いただけることになりました。
とはいっても、保護者の方みなさまがゆうちょ銀行の口座をお持ちいただいているとは限りません。当時はコロナ禍だったものですから、保護者の方が口座を開設しに近隣の郵便局へ多く来局され、局舎内がお客さまで「密」になってしまわないかということが危惧されました。ただ、我々も出勤抑制をしている中でしたので、郵便局へお客さま誘導のための応援を出すこともできず、また郵便局よりは比較的広いとはいえゆうちょ銀行の直営店も「密」になることを避けざるを得ないため、保護者の方の口座開設をすべてゆうちょ銀行直営店で引き受けるわけにもいきません。
とは言っても、それでは皆が困ってしまいます。そこで、小学校にもご協力いただきながら、保護者の方にはできる限りで非対面の口座開設サービスをご利用いただくことにしました。
我々で本社と連携しながら専用のリーフレットを作成し、また、この状況を知ったゆうちょ銀行他店舗の法人部署も快く小学校との調整等に協力してくださり、近隣の郵便局のみなさんも一緒になんとか乗り越えました。
私は、一人では何もできない、と常日頃感じています。そして、困ったときに必ず現れる「協力してくれる人」がいます。なので、自分が困ったときに協力してもらえるようにと見返りを期待しているわけではないのですが(笑)、誰かが困っているときにはチームメンバー内はもちろんチームを超えて協力することで、自分自身の成長にもつなげつつ、会社の成長にも寄与できればいいなと思います。

栁谷(司会):
「情けは人の為ならず」と言いますからね。
倉澤さんの本音はいかがでしょうか。

倉澤:
私も、できないことだらけですが、「何か自分にできることがあるか?」は常に意識しています。
ただ、社員のみなさんは優秀ですし、本当に頑張ってくださるので、仕事それ自体にはそこまで苦労がありません。
ですが、そもそも自分が仕事をするための環境を整えることには、苦労をしています。家族の状況だったり、自分の健康だったり。成人した子どもが2人いますが、小さい頃はしょっちゅう病気をしてました。
学校に上がってからも、お友達にけがをさせたとか、学校に来ていませんとか…。今だと、親の介護や、飼っている猫が急病で死にそうとか。なかなか言いづらいですが、一日待ってくれというわけにもいきません。
また、私自身決して身体が強い方ではなく、ここ数年は更年期障害がひどかったりします。
自分一人で背負ってしまうと自分がつぶれてしまいますし、誰か一人に背負わせるとその人がつぶれてしまうので、有料のサービスから、親族や友人まで、いろんな人にいろんな形で助けてもらっています。
乗り切った!とは言えないですが、なんとか今に至っているところです。
自分の健康管理も、昔は「気合でなんとかする」ということが当たり前だったのかもしれません。やれるだけのことをやっても体調管理が上手くいかないことはあり、だめだったら休むしかないと思います。
ただ、自分が倒れても大丈夫なように周囲と情報共有をすることを強く意識しています。幸いにも頼れる仲間が沢山いますので、「明日大事な会議だけど、もし私が倒れたらよろしくお願いします!」と(笑)。
常日頃から、細かなことまで関係者には可能な範囲で共有するようにしています。

栁谷(司会):
三者三様の本音、ありがとうございます。みなさん悩んで葛藤する部分もありつつも、頑張っていらっしゃるんですね。
管理者のやりがい、いろいろな組織でのマネジメント経験、本音、と沢山お聞かせいただきました。ありがとうございます。
聞いてくださっているみなさんからもご質問をいただいています。早速、お聞きしてみましょう。
まず、「管理者の仕事とプライベートの両立について、どのようなことを意識しているか教えてください。」とのことで、森迫さんに聞いてみましょう。

森迫:
両立ですね…。うーん、私は、いかに切り替えるかだと思っているので、仕事は仕事、プライベートはプライベート、と分けています。
それでも、どうしても、気持ちを引きずってしまいそうだ…!という時は、もう、飲みに行きます(笑)。会社の仲間と行くときもあれば、一人で行って店員さんとしゃべったりもします。

栁谷(司会):
両立をするために、オンオフを切り替える、ということですね。ありがとうございます。
続いて、「立場が上がるにつれて、悩みを共有し合える方が少なくなるのではないかと思いますが、マネジメントに行き詰まったときはどうされていますか。」とのご質問です。
こちらは興野さんに聞いてみましょう。

興野:
そうですね。確かに、共有できる方が少なくなるという傾向にあるのかもしれないのですが、意外と管理者同士でも、上の方も含め、普段仕事での直接の関わりがなかったとしても、困ったときは相談に乗ってくださいます。
なので、困ったなあというときは、普段あまり喋る機会がなかったとしても声をかけるようにしています。あとは、郵政グループ他社の方とお昼休みに会ったりもするので、仕事の細かな話はしませんが、悩んでいるという状況を聞いてもらいます。
話を聞いてもらうだけでもストレス発散になったり、悩みが自己解決したりもします。自分一人で抱えず、誰かと共有することを心掛けるようにしています。

栁谷(司会):
ありがとうございます。抱え込まないことは、大事ですよね。
次は、「法律やマニュアルで定められていることではなく、部やチームとしての在り方については、どのように考え、決めていますか。」というご質問です。
こちらは倉澤さん、いかがですか。

倉澤:
難しいですが…、「最大多数の最大幸福」かな。基本的に法律も、そういった考え方のもとできているはずだと思っています。ゆうちょ銀行も、元々国の機関だったこともあり、同じ考え方でできています。
ただ、時代にそぐわなかったりすることもあるので、その場合は「本来の目的は何か」ということに立ちかえり、そのために自分たちがすべきことを考えますが、「最大多数の最大幸福」は、チーム皆で共通認識として持っておきたいな、と思っているところです。

栁谷(司会):
ありがとうございます。
さて、続いて「最近、『若手社員は管理職になりたくない』といったことをメディアで良く見かけたりもしますが、みなさんはどうでしたか。管理者をご経験された方だからこそわかる、管理者になる前と後のギャップがあればお聞かせください。」というご質問をいただいています。では…我こそは、という方お願いします!

倉澤:
はい!では私が。
私は、「変わらない」です。今日お話ししてみて、おそらく、興野さんも森迫さんも、「羊飼い型」のリーダーシップを発揮されている方だと思っています。
それは、管理者になる前もなった後も、変わっていないのではないかなと思います、人が変わるわけではないので。管理者という立場で、担当する仕事や責任範囲が変わるだけだと思います。
人によっては「管理者は責任も重くて、すごく大変だ!」というようなイメージを持っているかもしれませんが、必ずしもそうではないのではと思います。
一方、権限が広がるので、やりがいは一段も二段も上がり、私は管理者になってよかったと思います。若いころから、「経営ってなんだろう?」「管理ってなんだろう?」と経験を積み重ねていくことは役に立つので、是非、若い方にはどんどん手を挙げてチャレンジしていただきたいな、と思います。

栁谷(司会):
ご質問、ありがとうございました。
それでは最後に、管理者として共に活躍するみなさんと、これから管理者を目指すみなさんに、メッセージをお願いします。

森迫:
私はJCでの経験を長くさせてもらっているぶん、本社ではシステムの知識面などで悩みを抱えているところではありますが、組織を異動したからこそ経験できたことが沢山ありますし、悩みがあるからこそ「もっと頑張ろう」と思える、推進剤にもなっていると思います。
結局、「どこにいて、何を学んで、何を成すか」は自分次第です。これから管理者になる方は特に、「その環境を楽しむこと」が一番良いのではないでしょうか!

興野:
管理者だからといって、肩肘張る必要はないと思っています。言い方を変えると、自分が答えを持っていなくても、絶対に誰かが持っている、と信じて、困ったときほどチームメンバーやチームを超えて相談しましょう。
一人で抱え込まず、誰かしらとコミュニケーションをとることで、おのずと答えは見えてくるものです。これから管理者になる方も、安心して目指していただければ良いと思います!

倉澤:
私は「強くてなんでもできるリーダー」だけが、管理者のあるべき姿ではないと思っています。弱くて一人でなんでもできるわけではなくとも、それなりのリーダーを目指すことができます。
いろんな社員が成長するためには、いろんな管理者がいるほうが、組織としては強さが増すものだと思っています。是非、いろんな方がいろんな管理者になって、いろんな社員を伸ばしていっていただければと思います!

栁谷(司会):
ありがとうございます、締まりましたね!
まだまだお聞きしたいことが沢山ありますが、これにて終了とさせていただきます。倉澤さん、興野さん、森迫さん、そしてご参加くださったみなさん、ありがとうございました。今日、お話しをできて、本当に良かったです!
今日が、みなさんにとって、キャリアについて考えるきっかけとなっていれば幸いです。

ディスカッション実施日: 2024年1月30日
※所属や役職については、ディスカッション当時のものです。
- ※1 年に一度、自分のキャリアや働き方について、会社に希望を申告する制度。
- ※2 職場の心理的安全性確保及び自主的・自律的な人財育成を目的とし、2022年度より開始。