ゆうちょ銀⾏をとりまく事業環境は、⼈⼝減少・超⾼齢社会、地域経済の縮⼩といった構造的な環境変化に加え、近年では、日銀の金融政策転換、国内金利の上昇、生成AI等のデジタル技術の急速な進化等、より変化のスピードが増す状況にあります。また、サステナビリティ経営や人的資本経営に係る対応・開示要請の高まり等、ステークホルダーの皆さまからの期待はより幅広くなりました。
このような中、「お客さまと社員の幸せを⽬指し、社会と地域の発展に貢献する」というパーパスと「お客さまの声を明⽇への羅針盤とする『最も⾝近で信頼される銀⾏』を⽬指す」という経営理念に⽴ち返り、中期経営計画においてゆうちょ銀⾏が果たすべき3つのミッション(社会的使命)を明確化しています。さらに、企業価値向上と社会課題解決の両⽴を通じてサステナブルな経営の実現を⽬指すため、取り組むべき重点課題(マテリアリティ)を4つ設定しています。
日本全国あまねく 誰にでも「安心・安全」な 金融サービスを提供 |
地域経済発展への 貢献 |
環境の 負荷低減 |
多様な人財の活躍、 ガバナンス高度化の推進 |
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重点課題(マテリアリティ)への対応については、課題を整理するだけではなく、中期経営計画の目標KPIと関連付けて、実績・達成状況を管理しています。例えば、「日本全国あまねく誰にでも『安心・安全』な金融サービスを提供」に対しては「通帳アプリ登録口座数」、「環境の負荷低減」に対しては「ESGテーマ型投融資残高」といった目標KPIを設定しており、達成状況に応じて目標の引き上げも行っています。当行はお客さまから国内最大級の約1億2千万の通常貯金口座と190兆円超の貯金残高をお預かりしているという強みがあり、この事業基盤を活かした目標設定としています。また、「地域経済発展への貢献」に対しては「GP※業務関連残高」、「多様な人財の活躍、ガバナンス高度化の推進」に対しては「社員総合満足度」等を目標KPIに設定しており、これまでのビジネスモデルや考え方に捉われない、既存の仕組みの改革にも努めております。事業活動を通じて社会課題の解決に取り組み、様々なステークホルダーへ価値を提供することが、当行の企業価値向上に結びつくと考えております。
※General Partner(無限責任組合員):ファンドの運営に責任を負う組合員。
重点課題でも「多様な人財の活躍」として触れているとおり、サステナブルな経営を推進していくために、これまで以上に組織文化・風土改革、社内コミュニケーション改善に取り組むことが、私に課された最大のミッションだと考えています。当行の社員数は1万人規模であり、経営戦略実現のためには、その力を結集することが不可欠です。今後も私が先頭に立ち、組織文化・風土改革に取り組むことで、当行の変わらぬパーパスや経営理念の下、お客さま本位の経営、当行の企業価値向上のために、全社一丸となって金融改革に挑戦してまいります。こうした取組みが、更なるサステナブル経営の高度化につながっていくと考えています。
これからも、ステークホルダーの皆さまとしっかりと対話しながら、お客さまに「最も身近で信頼される」トップレベルかつユニークな銀行として、企業価値の向上と社会課題解決の両⽴を⽬指しまいりますので、引き続き、ますますのご⽀援・ご⾼配を賜りますようお願い申し上げます。
取締役兼代表執行役社長
笠間 貴之